日記

たまに書く日記です。

この前の夜の

深夜、山の中の高速道路で車の後部座席に揺られるのが好きだった。運転している人も黙っていて車が走る音だけがゴーゴー聞こえる。ヘッドライトだけが道を短く照らしていて、明かりは少ない。窓からは大きな真っ黒い山が深いグレイの空を背負ってゆっくりこっちを見下ろしている。子供の頃のその場面の、不安と安心感が混じった気持ちとズレなく合致してくれる 包まれるようなそれが懐かしい。

 

暗く閉ざした部屋で毎日眠るとき換気扇の音を聴く。カーテンの隙間から壁に写る細い明かりが動いて、トンネルを連想した。気持ちも時間も子供の頃のそのときと変わらないのに、部屋はコンクリに固められ静止して動いていない。山も運転手もいないし後部座席は無い、窓の外を覗けばギラギラと遊んだ光で目が痛いだけだ。

夜、ほぼ見えない視界の中で大きく黒々と、そこにある山がとても好きだった。不安を象徴したような重い空を背景に、幻みたいだけどそこに存在している、それが今でもとても好きだなと思う。

 

今日おやつに食べたチョコレートの匂いが部屋に薄く満ちていて、ぼんやり現実に引き戻された。昼に食べ過ぎたので甘ったるくて鬱陶しいだけだった。